メーカー営業の本気、ダイソンのダストカップの秘密
日本の掃除機マーケットに主に価格面で変革を起こした舶来メーカーのダイソン。今では掃除機以外の家電製品でも扇風機やドライヤーもスタイリッシュなデザインで人気を博している。
サイクロン方式という唯一無二の構造でマーケットを圧倒したプロモーションや基本的な構造の話は別の機会に譲るとして、今日はダイソンのダストカップのはなしをしてみたい。
ダストカップを床に叩きつける
見出しだけ見ると乱暴な表現になるが、ダイソンの掃除機のダストカップを大理石の床に叩きつけたことがある人間はそうそう居ないだろう。実は僕にはその経験がある。
一体なぜそのような暴挙に出たのだろうか。
今から10年ほど前の話だ。ダイソンの営業と店頭で話をしていた時、基本的なサイクロンの構造、なぜダイソンの掃除機は良いのか、他社と何が異なるのか等の一般的な知識以外の逸話的な話を僕は欲していた。
その中で聞いた話は、ボタンを長押しするとサポートセンターに電話した時に症状を把握してもらえる機能や、首都圏ならD2Dで72時間以内に修理が完了するというような有益な情報を得られた。そして得た一つのとっておきの情報が、冒頭の「ダストカップを床に叩きつける」という行動に繋がった。
別に怒り狂った話ではない。
ね、全然大丈夫ですよね
「ダイソンのダストカップは割れません。多少傷がつくかもしれませんが割れることはありません。」
とダイソンの営業は言った。航空機の窓と同じ素材を使用しているので通常使用で割れることは絶対にありません!と言い切る営業に僕はこう言った。
「床に叩きつけていい?」
と。若いって怖い。なんて失礼な事を言ったのだと今なら思えるが、当時は普通に聞いてしまった。するとダイソンの営業は、
「いいですよ、大丈夫です。」
と、自信満々に笑いながら言い切った。無駄に大理石の床に叩きつけられたダイソンのダストカップ。そして割れることなくコロコロと転がるダストカップを見ながらダイソンの営業はこう言いました。
「ね、全然大丈夫ですよね」